江東区の保育園事情をざっくり知る試みです。
保育園の競争率を見ても、地域ごとに定員も人口比も違うので一概に言えない面がありますし、待機児童数を見ても「江東区「待機児童14人」でも認可入れない裏事情」のようにそれですべてが分かるわけではないようですので。
江東区の高齢化率
まず全体像を知るために、2021年1月時点の人口統計を元に、高齢化率を見ていきたいと思います。
65歳以上率を高い順に見ると以下のようになります。
なお、江東区の全体の65歳以上率は21.4%です。日本全体は28.7%です。
町名 | 65歳以上率 |
---|---|
辰巳 | 30.8% |
南砂 | 29.6% |
牡丹 | 28.2% |
大島 | 27.0% |
北砂 | 26.7% |
東砂 | 26.7% |
千田 | 26.7% |
東陽 | 25.6% |
次に低い順(65歳以上が少ない順)に見ると以下のようになります。
町名 | 65歳以上率 |
---|---|
有明 | 5.1% |
佐賀 | 7.2% |
東雲 | 11.3% |
豊洲 | 11.4% |
新砂 | 12.6% |
平野 | 14.5% |
新大橋 | 14.9% |
扇橋 | 15.2% |
木場 | 15.2% |
辰巳が一番上で有明が一番下という湾岸的には極端な数字ですね。
いずれにしても、豊洲、有明、東雲あたりが若い、辰巳や砂町に高齢者が多いというのはイメージ通りかなと思います。
東陽が上よりに入っているのが少し意外に感じました。
保育園世代がどれくらいの割合でいるか(保育園世代率)
ただ、必ずしも高齢者率が高いと子供が少ないというわけでもないかと思います。
江東区人口統計から0歳~5歳までの人口を抜き出して、保育園世代率を出したところ以下のようになりました。
長くなりますが、全町名分を記載します。なお、江東区の全体の0歳~5歳の割合は5.3%です。
町名 | 0歳~5歳率 |
---|---|
有明 | 10.4% |
扇橋 | 9.3% |
豊洲 | 8.4% |
東雲 | 8.1% |
越中島 | 7.6% |
平野 | 7.6% |
木場 | 6.6% |
清澄 | 6.2% |
塩浜 | 5.8% |
佐賀 | 5.7% |
海辺 | 5.6% |
東陽 | 5.5% |
冬木 | 5.3% |
猿江 | 5.1% |
白河 | 4.9% |
辰巳 | 4.9% |
東砂 | 4.7% |
枝川 | 4.6% |
大島 | 4.5% |
古石場 | 4.4% |
三好 | 4.4% |
千石 | 4.4% |
亀戸 | 4.4% |
北砂 | 4.4% |
新大橋 | 4.3% |
住吉 | 4.3% |
青海 | 4.3% |
南砂 | 4.2% |
石島 | 4.0% |
福住 | 3.9% |
牡丹 | 3.9% |
高橋 | 3.7% |
潮見 | 3.7% |
新砂 | 3.7% |
毛利 | 3.6% |
森下 | 3.4% |
富岡 | 3.4% |
深川 | 3.2% |
門前仲町 | 3.1% |
千田 | 3.1% |
永代 | 3.0% |
常盤 | 2.9% |
この順番で見ると有明、豊洲、東雲はとにかく、越中島や扇橋が登場してきます。どちらも人口が少ないわけではないので(7300人と9600人)、率にしたことで目立っているというわけではありません。
プラウドシティ越中島、メイツ深川住吉、イーストゲートスクエア、ジオ深川住吉など、特に扇橋は2010年以降に多くの新築マンションが出来ている地域であることが特徴と言えるかと思います。
2021/11/13 追記
このあと数字の検証の話が続くのですがたぶん誰も読んでないと思うので省略しました。
江東区の保育園倍率(全体)
次に保育園に関する数字としては、令和3年4月入園一次募集時申し込み倍率という表がありました。
ざっくりの雰囲気を見るには集計が必要なので、各保育園の所在地を調べて町名で分類しました。
町名ごとにみると以下のような表になります。
※ 順番は江東区がいつも表示しているものです
※ 申請数は第1~第5希望までの合計です
入居可能数 | 申請数 | 倍率 | |
---|---|---|---|
清澄 | 27 | 215 | 7.96 |
新大橋 | 25 | 19 | 0.76 |
森下 | 185 | 505 | 2.73 |
平野 | 64 | 204 | 3.19 |
高橋 | 18 | 41 | 2.28 |
三好 | 64 | 179 | 2.80 |
白河 | 161 | 933 | 5.80 |
深川 | 24 | 128 | 5.33 |
冬木 | 82 | 488 | 5.95 |
富岡 | 99 | 435 | 4.39 |
古石場 | 24 | 162 | 6.75 |
越中島 | 12 | 67 | 5.58 |
千石 | 73 | 141 | 1.93 |
石島 | 15 | 45 | 3.00 |
千田 | 23 | 148 | 6.43 |
扇橋 | 26 | 213 | 8.19 |
猿江 | 36 | 414 | 11.50 |
住吉 | 52 | 465 | 8.94 |
毛利 | 36 | 203 | 5.64 |
木場 | 178 | 736 | 4.13 |
東陽 | 159 | 914 | 5.75 |
塩浜 | 198 | 709 | 3.58 |
枝川 | 49 | 122 | 2.49 |
豊洲 | 389 | 2184 | 5.61 |
有明 | 288 | 768 | 2.67 |
東雲 | 271 | 1102 | 4.07 |
辰巳 | 72 | 79 | 1.10 |
潮見 | 53 | 90 | 1.70 |
亀戸 | 472 | 1282 | 2.72 |
大島 | 420 | 1412 | 3.36 |
北砂 | 380 | 1033 | 2.72 |
東砂 | 286 | 419 | 1.47 |
南砂 | 339 | 1457 | 4.30 |
新砂 | 25 | 111 | 4.44 |
合計 | 4625 | 17423 | 3.77 |
募集がなくて登場しない町名もあります。
また、申請数は1~5希望すべてが合算された数字のため、倍率は実態を正確には表してはいないと思います。第1希望だけの数字があればよかったんですけど…。
この数字で湾岸を見ると、豊洲と東雲が平均よりも混んでいて、有明は混んでいないという数字になっています。
江東区の保育園倍率(0歳と1歳)
更に、0歳と1歳は厳しいらしい(違ったらごめんなさい)ので、そこだけ抜き出すと以下のようになります。
5歳までの合計の数字では見えないものが見えるのかなと。
入居可能 | 申請数 | 倍率 | |
---|---|---|---|
清澄 | 20 | 170 | 8.5 |
新大橋 | 8 | 16 | 2.0 |
森下 | 74 | 345 | 4.7 |
平野 | 10 | 98 | 9.8 |
高橋 | 15 | 37 | 2.5 |
三好 | 10 | 83 | 8.3 |
白河 | 118 | 696 | 5.9 |
深川 | 17 | 93 | 5.5 |
冬木 | 51 | 296 | 5.8 |
富岡 | 39 | 276 | 7.1 |
古石場 | 18 | 102 | 5.7 |
越中島 | 10 | 44 | 4.4 |
千石 | 15 | 62 | 4.1 |
石島 | 10 | 25 | 2.5 |
千田 | 15 | 96 | 6.4 |
扇橋 | 25 | 163 | 6.5 |
猿江 | 24 | 290 | 12.1 |
住吉 | 32 | 307 | 9.6 |
毛利 | 12 | 120 | 10.0 |
木場 | 77 | 474 | 6.2 |
東陽 | 87 | 618 | 7.1 |
塩浜 | 86 | 433 | 5.0 |
枝川 | 32 | 100 | 3.1 |
豊洲 | 281 | 1599 | 5.7 |
有明 | 133 | 528 | 4.0 |
東雲 | 175 | 840 | 4.8 |
辰巳 | 25 | 58 | 2.3 |
潮見 | 25 | 72 | 2.9 |
亀戸 | 267 | 929 | 3.5 |
大島 | 222 | 1037 | 4.7 |
北砂 | 163 | 705 | 4.3 |
東砂 | 150 | 321 | 2.1 |
南砂 | 215 | 1043 | 4.9 |
新砂 | 18 | 77 | 4.3 |
合計 | 2479 | 12153 | 4.9 |
1歳以下にした方が、より混み合っているという数字になります。全体が3.77倍⇒4.9倍。
湾岸を見ると、有明の数字が5歳までの合計時よりもだいぶ上がってきますが、豊洲>東雲>有明の順は変わらずです。
また単純にキャパの少ない地域の倍率が高くなっています。結局第5希望までの数字が入ってるせいでこの倍率を見ても分かりにくいのかなと思います。
検証の結果これが結論というのが以下
入居可能人数と人口の対比(1歳以下)
令和3年4月入園一次募集時申し込み倍率という表から各地区の入居可能人数を集計しました。
また保育園の申し込み人数よりも各地区に何人の新生児がいるかの方が重要な数字と考えたため、江東区年齢別人口から0歳と1歳だけの地区別人口を集計しました。
そして、その1歳以下人口と入居可能人数との倍率を出しました。
つまり、「入居可能人数 ÷ 1歳以下人口」を求めました。
入居可能 | 1歳以下人口 | 倍率 | |
---|---|---|---|
清澄 | 20 | 96 | 4.8 |
新大橋 | 8 | 104 | 13.0 |
森下 | 74 | 123 | 1.7 |
平野 | 10 | 176 | 17.6 |
高橋 | 15 | 21 | 1.4 |
三好 | 10 | 57 | 5.7 |
白河 | 118 | 164 | 1.4 |
深川 | 17 | 51 | 3.0 |
冬木 | 51 | 51 | 1.0 |
富岡 | 39 | 49 | 1.3 |
古石場 | 18 | 59 | 3.3 |
越中島 | 10 | 188 | 18.8 |
千石 | 15 | 98 | 6.5 |
石島 | 10 | 14 | 1.4 |
千田 | 15 | 20 | 1.3 |
扇橋 | 25 | 311 | 12.4 |
猿江 | 24 | 96 | 4.0 |
住吉 | 32 | 100 | 3.1 |
毛利 | 12 | 45 | 3.8 |
木場 | 77 | 201 | 2.6 |
東陽 | 87 | 487 | 5.6 |
塩浜 | 86 | 350 | 4.1 |
枝川 | 32 | 137 | 4.3 |
豊洲 | 281 | 929 | 3.3 |
有明 | 133 | 592 | 4.5 |
東雲 | 175 | 375 | 2.1 |
辰巳 | 25 | 157 | 6.3 |
潮見 | 25 | 65 | 2.6 |
亀戸 | 267 | 799 | 3.0 |
大島 | 222 | 935 | 4.2 |
北砂 | 163 | 525 | 3.2 |
東砂 | 150 | 495 | 3.3 |
南砂 | 215 | 502 | 2.3 |
新砂 | 18 | 54 | 3.0 |
合計 | 2479 | 8426 | 3.4 |
湾岸を見ると、豊洲、有明、東雲は、有明>豊洲>東雲の混雑具合となり、噂に聞く実態に近いように見えます。
保育園事情が落ち着いてきていると言われる東雲では、1歳以下人口が入居可能人数の2倍ということになるので、確かに落ち着いていそうです。
そしてやはり先に取り上げた越中島と扇島が高い数字となっています。
数字的に見ると、この1歳以下人口比で高い倍率になっているところが、新生児の数に保育園のキャパが追い付いていない地域なのかなという風に考えました。
また高齢化していた砂町地域でも大量の子供がいますが、こういう地域は元々のキャパが大きく1歳以下人口比の倍率が低くなっています。
とはいえ、全体的にさすが子育ての区といった感じでしょうか。
以上、あくまでも、今年の4月の募集数での計算上の話ですので、正確に実態をつかめてるわけではありませんが、1歳以下人口との対比でみるのが概要を掴むという意味では分かりやすいのかなと思い検証してみました。
